リハビリテーションについて
当院のリハビリテーションは、急性期から回復期、在宅までを網羅しております。
特に当院を退院後自宅に戻る方が多いため、安心して自宅に帰ることができるよう、また、退院後も安全に充実した毎日を送ることができるよう、チームが一丸となって取り組んでおります。
外来リハビリテーション
当院から退院された患者様や他院から紹介された患者様について、主治医の指示に基づき外来リハビリテーションを行っています。
言葉のリハビリ(言語聴覚療法)では「失語症」や「高次脳機能障害」、うまく食べられなくなる「摂食嚥下障害」の後遺症がみられた方々への支援を行っています。
急性期リハビリテーション
急性期病棟では発症または手術翌日から患者さんの血圧・脈・痛みなど、体調に応じて病室でリハビリを開始します。
回復期リハビリテーション
回復期病棟とは、ADL能力向上による寝たきり防止と家庭復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に行うための病棟です。
対象疾患と入院期間リハビリテーション室のみではなく、病棟におけるADL(日常生活動作)練習を行います。
入院早期から退院後の生活を想定した動作練習を行います。
訪問リハビリテーション
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が直接ご自宅へ訪問し、リハビリテーションを実施します。
通所リハビリセンター
利用する方が、楽しく、目標に向けたリハビリを実施できるよう取り組んでおります。
リハビリ治療のご紹介
がんのリハビリテーションについて
がんは病気の進行に伴い様々な身体的・心理的・社会的な障害が生じます。
具体的には筋力の低下、体の痛み、骨折、疲労感、むくみ等です。それらが生じることにより日常生活に支障をきたし、家事や仕事に復帰することも難しくなる可能性もあります。
また、意欲の低下や不安感が強くなることもあります。
がんのリハビリテーションの目的はこれらの障害をできる限り予防・改善し、一人一人がその人らしい生活を送れるようサポートしていくことです。
平成22年度の診療報酬改定によりがん患者リハビリテーション料が新設され、リハビリテーションを必要としているより多くの患者さんに関わることができるようになりました。
当院では平成26年1月より本格的にがんのリハビリテーションを開始しました。
現在はリハビリテーションスタッフ6名、医師3名、看護師4名が、がんのリハビリテーションを実施するために必要な研修を修了しました。
主に乳がん、胃がん、大腸がんの患者さんを対象にその日の身体・心理状況に応じてリハビリテーションを行い、患者さんが円滑に家庭・社会復帰できるようにサポートを行っています。
※がんのリハビリテーションは外来通院中の患者さんには実施していないためご了承下さい。
HANDS療法とは
HANDS療法とは「Hybrid Assistive Neuromuscular Dynamic Stimulation」の略で、随意運動介助型電気刺激装置(IVES)と手関節装具を1日8時間装着して約3週間訓練する脳卒中片麻痺上肢機能障害への新しい治療法です。
特殊な電気刺激の装置で、患者さんの麻痺した筋肉の微弱な活動を電極で感知し、その活動に応じた電気刺激を麻痺した筋肉に与える携帯型の電気刺激装置です。
患者さんが自ら麻痺した指を動かそうとして動かない場合でも、この刺激装置により麻痺で弱くなった筋肉の力を補助してくれるので、動かしやすくなります。
当院回復期リハビリ病棟でもHANDS療法を開始しており、実際に使用した患者さんからは「前より手が動くようになった」「動かしやすくなった」という感想が聞かれております。
回復のためには、短時間の集中したトレーニングが必要であり、機械をつけただけで手の機能が良くなるということではありません。
日常生活で麻痺手を使うことを身につけることを目的としています。
なお、HANDS療法には適応基準があり、改善の程度についても個人差があります。
今後、適応患者さんへ積極的に使用し、成果を上げていきたいと思います。
免荷式リフトPOPOとは
免荷式リフトPOPO(開発・製造:株式会社モリトー)は、リフト機能で身体を吊り下げ、下肢にかかる負荷を軽減する「免荷機能」によって、歩行練習を行う事が出来ます。ハーネスが身体をしっかりと保持してくれるので、バランスを崩しても転倒のリスクが軽減し、安心して意欲的に歩行練習に取り組むことができるとされています。
当院では、このPOPOを導入し積極的に歩行練習に取り入れています。対象となる患者さんは主に、脳卒中後の片麻痺の方や、骨折後の荷重制限のある方、頚髄損傷後の患者さんや変形性の関節疾患があり歩行に痛みを伴う患者さんです。
患者さんからは、「足が軽くなり歩きやすい」、「転ぶ心配がないから安心して歩ける」など意欲的なコメントが聞かれています。また、スタッフからも「介助量が軽減でき、身体の大きな患者さんにも積極的に使える」、「歩容の確認がしやすくなり、歩容を誘導しながら歩行練習ができる」といったコメントが聞かれています。
使用した患者さんの一例として、頚髄損傷後の不全麻痺のAさんは、導入前10m程度しか歩けなかったのが導入後、杖を使用し軽介助にて50m以上の歩行が可能となりました。また、脳梗塞のBさんは導入後、歩行に対する意欲が向上しT字杖にて見守り歩行が可能となりました。
今後、対象患者さんを増やしていき、効果の検証をしていきたいと考えています。